[授業科目]

 生体情報工学
[必・選]

 選択
[担当教官]

 前田道治
[学年・学科]

 2年・機電
[単位数]

 2
[授業形態]

 前期 週2時間
[目標]

 脳の中で行なわれている情報処理のメカニズムの解明は,将来的により柔軟な処理能力を持つコンピュータ
 の設計に結びつくことが期待される.そこで,本講義では生体の中で行なわれている情報処理のメカニズム
 やその観測方法を主として情報工学の立場で展開する.
[評価の方法]

 中間試験,定期試験などの結果および演習の提出,出席状況などに基づき総合的に評価する.
[教材]

 小杉幸夫他1名,生体情報工学,森北出版
[内容]

 1.生体情報を扱う基本的手法
 (1)生体と情報
  モデル化の手法,生体情報システムと情報化社会
 (2)生体情報計測の基礎
  時系列信号の観測,機能画像計測,心理物理学的手法
 (3)生体情報の解析手法
  パワー・スペクトルとスペクトログラム,クロススペクトルとコヒーレンス,情報の流れの解析
 2.生体内の情報伝達・処理過程
 (1)情報伝達系としての神経系の概要
  細胞の分化と神経系の発生,神経系の要素,中枢神経系,末梢神経系
 (2)外界からの情報伝達と認識
  視覚情報,聴覚情報,体性感覚情報,嗅覚および鋤鼻系情報,ウェーバー-フェヒナーの法則
 (3)記憶のメカニズムとモデル
  海馬と記憶,シナプスレベルでの可塑性,学習および記憶のモデル
 (4)生体信号の生成と運動制御
  リズムの発生メカニズム,行動の発現,運動制御の神経系
 3.生体情報計測とバイオミメティック情報処理
 (1)医用生体計測
  時系列計測,画像計測
 (2)感情の計測
  脳活動と脳波,心の状態と脳波,ESAMの実際,集中力を測る
 (3)非ノイマン型情報処理
  高次処理の原動力,世代間の情報伝達と遺伝的アルゴリズム