「ものづくりの祭典:Maker Faire Kyoto 2024」に機械工学科の学生が出展(学生のモノづくり活動紹介)

機械工学科 5年生で,個人でモノづくりの活動をしている学生(ニックネーム:あきまろ君)がいます。
彼が本校 機械工学科に入学した理由の一つは,風を受けて風上方向に歩行するストランドビーストという動く芸術作品だったそうです。入学後は,機械工学科でエンジニアを目指してモノづくりを学ぶ傍ら,飛行ロボット製作活動を行っている鳥部に所属し,さらに個人的にも久留米高専のモノづくり環境を積極的に活用してモノづくり活動を行っています。
 

そんな あきまろ君が,4月27・28日に,京都府精華・西木津地区にある けいはんなオープンイノベーションセンター で開催された「ものづくりの祭典:Maker Faire Kyoto 2024」に,「圧縮空気で作動する論理回路」の作品を出展しました
 

あきまろ君に,Maker Faireとは?,参加のきっかけは?,そして,今回の出展作品の制作時間を尋ねてみると,
 
◆ Maker Faireとは
個人から学生、企業など様々な人が自分たちの作ったものを展示することができる、「ものづくりの祭典」です。子ども連れの来場者が多いことも大きな特徴です。
◆ MakerFaireに参加するきっかけ
参加する前からテオ・ヤンセンの作品に影響をうけ、ストランドビーストの忠実なミニチュアや空気圧回路などを作っていましたが、その作品を発表する機会はありませんでした。
偶然SNSでMakerFaireの様子を見て、自分が作った作品もたくさんの人に見てほしいと思ったのがきっかけです。
◆ 出展した作品の制作期間
去年に続き2度目の参加となった今回は卒研のテーマである、空気圧で動く半加算器とフリップフロップを主に展示しました。これらの作品は卒研が始まった4月から制作を開始し、土日も学校に通い詰めて3週間ほどで作り上げました。
これまで自身でやってきた空気圧回路の工作の知識が役に立ちました。
 
とのことでした。
確かに5年生に進級し卒研が決まった4月早々,学科内の3Dプリンターがせっせと稼動していました。

 
・Make Faireでの出展作品と会場の様子
 
 

 
 
彼からもらった写真をみると,小さな子どもも参加していて,モノづくりを担う次の世代への橋渡しにもなっていて将来が楽しみです。
 

外部リンク:
・「Maker Faire Kyoto 2024」会場レポート
・「あきまろ君」出展者紹介ページ

第19回 全日本飛行ロボコンで機械工学科の学生が活躍(鳥部)

本校のモノづくり系の部活動の一つに鳥部があります。鳥部では,毎夏,東京で開催される全日本室内飛行ロボットコンテストへの出場に向けた機体製作活動を行っています。飛行機に関わるものづくりというで,航空機が好きな機械工学科の学生が多く所属しています。今年度は機械工学科4年生が部長を努め,そのほか多くの機械工学科の学生が所属しています
この飛行ロボットコンテスト(飛行ロボコン)は,日本航空宇宙学会 主催で,ものづくりの街、東京都大田区で開催され,多くの大学や高専のチームが参加しています。令和5年度の第19回飛行ロボコンは,9月23・24日に日本工学院専門学校 蒲田キャンパス 片柳アリーナにて開催されました。一般部門,自動操縦部門,マルチコプター部門,ユニークデザイン部門の4つの部門があり,ユニークデザイン部門を除いて,それぞれにいくつかのミッションが与えられ,クリアしたミッションに応じた加点がされます。
 
本校からは1年生から4年生まで計15名が参加し,このうち機械工学科の学生は8名でした。一般部門 2チーム,マルチコプター部門,ユニークデザイン部門に各1チームの計4チームが出場し,一般部門は上級生と下級生の2チームで,いずれも一般的な飛行機型をベースにした機体,マルチコプター部門は一般的な4ロータ(羽根車)ではなく,6ロータの特殊な機体,ユニークデザイン部門は機構を駆使し前にも後ろにも飛べる機体で臨んでいました。

 

・飛行ロボコン大会会場

・各チームの準備の様子
(一般×2,マルチコプター,ユニークデザイン)




 

第1日目は一般部門とマルチコプター部門の予選があり,マルチコプター部門はなんとか第2日目の決勝に進出しました。一般部門は,上級生と下級生の2チームとも残念ながら決勝進出にはなりませんでした。特に,一般部門の上級生チームの操縦者は機械工学科4年生の学生でしたが,惜しくも点数が足らず,ミッションの選択ミスが大きかったと悔しがっていました。また,下級生チームはほろ苦いデビュー戦となりました。
第2日目は各部門の決勝と,ユニークデザイン部門が行われました。ユニークデザイン部門は会場のギャラリー投票などで評価されます。決勝へ進んだマルチコプターのチームは,予選では辛うじて決勝に滑り込んだ飛行だったのですが,決勝では見違えるような飛行を見せ,なんと準優勝を勝ち取りましたマルチコプター部門の操縦と制御プログラム作成は機械工学科の4年生が担当していて,前日との違いを聞くと,制御プログラムのパラメータ調整のやり直しが上手くいったとのことでした。また,ユニークデザイン部門もなんとか狙いの前進・後退飛行を披露し,機械工学科4年生による飛行中の実況スピーチでも観客を楽しませ,会場から多くの評価を獲得して見事,会場賞となりました。

 

・各部門での飛行の様子
(一般(上級生),マルチコプター,ユニークデザイン)


 
飛行ロボコンは,大会前日に会場での準備,飛行テストが行えるのですが,今年度の大会は,前日22日の飛行テスト会場が大田区総合体育館と別会場で,その日の夕方に本会場に移動するという移動初日からハードな大会でした。

第33回環境工学総合シンポジウムにて研究発表(卒業研究関係)

現在,機械工学科の流体研究室と材料強度研究室では共同で,小形水平軸プロペラ風車の高性能化に関する研究を行っています。

令和4年度の材料強度研究室の5年生が卒業研究で実施した「小型風車用前進・後退翼の形状及び性能に関する予備的検討」の研究成果を,流体研究室の専攻科 機械・電気システム工学専攻 機械工学コースの1年生がその春休みに引き継ぎ性能実験を行いました
それらの研究成果を専攻科生が取りまとめ,2023年7月25日(火) 島根県松江市で開催された日本機械学会 第33回環境工学総合シンポジウムにて,「円弧状に前進・後退させた小型水平軸風車用ブレードの予備的検討」というテーマで発表しました。

・研究発表の様子
学会発表(環境工学総合シンポジウム)

・発表資料抜粋(実験装置の紹介)

・発表資料抜粋(供試ブレード)

本研究は,街で見かけるような小形プロペラ風車の高性能化を目的として,一般的な直線的な風車ブレード(翼)を,写真のような大きく円弧状に変形させたブレードを検討しています。最近では,学科内の研究室でも3Dプリンタが複数台あり,CADで設計したものを比較的簡単に製作することができます。
発表した研究では,直線的なブレードに加えて,回転方向とその逆方向に円弧状に変形させたブレード(スイープ翼)を作成し,風洞実験により出力性能を比較しました。これまでの結果では,スイープ翼により性能が高くなる可能性が示されました。・研究室の3Dプリンタ

・3Dプリンタで作成した風車ブレード

学会発表は,前日に現地入りの予定でしたが,悪天候のため欠航となり,当日早朝に出発、その日の夜には帰着する弾丸ツアーとなってしまいました。